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「テキサス・チェーンソー・マサカリ」感想

「ニッポンの河川」第2回公演「テキサス・チェーンソー・マサカリ」の最終日12/28の回を観劇してきました。

 会場は渋谷ギャラリー・ルデコの5階。ビルの小さなオフィスみたいなスペースの四方に椅子を並べて、観客はそこに座って観劇。大体50人くらいでしたでしょうか? そしてその中央スペースでお芝居が行われました。

 とある山奥の寒村。そんな村を嫌って都会に行こうと、人目を忍んで夜逃げを計画する女性(森谷)。それを発見する男性(光瀬)。彼は女性の許婚。女性を引きとめようと言葉を尽くすが、女性は聞く耳を持たない。場面展開。ヒッチハイクをする女性を見つけたトラックの運転手(光瀬)。彼は仕事は不当放棄。車に酔った女性に身体を求める運転手。セッ○スという言葉を連発。彼はもともとアイドルになることを夢見ていたヤンキー。彼にはやはりヤンキーの彼女(森谷)がいて、彼女はそんな夢見がちの男を諫める。反発する男。場面展開。ティッシュ配りをする女性二人。一人は夜逃げしてきた女。もう一人はティッシュ配りのバイト先輩(光瀬)。そんな生活だが、女は元許婚の男に手紙を書き、都会暮らしの素晴らしさを謳い、そして狭い村に暮らす男を見下す。男は許婚に逃げられたところを叔母(森谷)に見付かり、黙っていてもらうように懇願する。叔母は快諾するが、黙っていられない性格から、何故か女に逃げられたという内容の文句が書かれたTシャツを大量生産してしまう。男は生産を止めてもらうように頼むが、叔母はそれであればタイの工場の作業員に直接謝るように命令する。現不当投棄の運転手は、ヤンキー時代にアイドルになるためせっせと活動をするが、何となく騙されている雰囲気。何故か歌合戦に出演して、しかも鐘一つ。しかしその歌を耳にして彼を勧誘する怪しげな日本語を操る男(森谷)。その状況に不満げな彼女。一方許婚に逃げられた男は叔母の命令通りタイに向かい、工場員に謝罪する。その際叔母と揉め、何故かその様子を見ていた男(森谷)キックボクサーになることを勧められる。このあたりから場面展開がかなり頻繁に行われる。ティッシュ配りの先輩はホットペッ○ー配りのバイトに応募するが、ついでに応募した許婚の女性しか合格せず、田舎に帰ることを決意する。許婚の男はキックボクサーとして戦果を挙げるが、網膜剥離のため帰国。未来の不当投棄の運転手は、タイで有名になるが、彼女との喧嘩が絶えない。自然と時間は現在に戻り、ヒッチハイクをする許婚の女性を口説く場面にスライドして…。

 フットスイッチで出演者が照明を操作し、音響も森谷さんが肩から下げたラジカセでチェンジ。本当に部屋の中央のみで完結している世界。手の内が見えている分、芝居に集中が出来ました。

 それにしても、めちゃくちゃ面白かった! 光瀬さんのお芝居は始めてでしたが、かなりストレートなお芝居をされる方という印象。結果キャラクターで笑わせているように見えるけれど、改めて考えると脚本の台詞が面白いのであって、特別なことをしているワケではないように思えます。ただ、その台詞を笑わせるところまで持っているしっかりとした力がある女優さんだなぁと思いました。
 森谷さんはKKPでおなじみだけれど…かなり正直な印象をいってしまうと、KKPの脚本は森谷さんの魅力をかなり制限してしまっているように思えました。それ程、今まで持っていた印象以上の魅力を感じました。独特の迫力のある台詞回し、上手く言えないけれど小悪魔的な女性(コケティッシュというのとはまた違うんだけれど)の演じ方、そしてそのスピード感…色々な意味で魅了させられた舞台でした。

 まぁ、空間の力っていうのもあるようにも思えますけどね。何てったって、手を伸ばせば触れられるであろう近さで演じているわけですから、伝えようという意思がビンビン身体全体に響いてきます。中央で演じられる世界が徐々に膨らんで観客である僕らのスペースまで侵食してきて、演じられている世界に一部になったような感覚が心地よかった。

 あと、物語が進むにつれて時空間が交錯するスピード感が上がり、その目まぐるしさに酔わされてしまい、一種の陶酔感も味わえました。演者ももちろんですが、脚本や演出がとても巧みだなぁと感心しきりでした。

 50分弱と短いお芝居で、やや物足りなさを感じましたが、あの手法であれば、そのくらいの時間がちょうどいいんだろうなぁと思います。まぁ、演じ手の体力などの問題もあるのかもしれませんが、そういったところでも上手さを感じました。

 あ~、それにしてもいちいち面白い舞台だったなぁ。「夢を持った若者達が…」的なメッセージを含んだ台詞などもありましたが、粘着質にならず、どちらかというと、ドライというかさらっとした印象。冒頭の森谷さんの語尾がおかしく、「あれ? 台詞かんでるのかなぁ?」と不審がっていたら、ちゃんと意味があって、そのさりげなさ故、めちゃくちゃ笑わされたなぁ。

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